問題1
同じ池で見つかったカタツムリ群Aと群Bは、殻の模様が異なるだけで生活場所や体の大きさはほぼ同じでした。中1の範囲で「これらが同種かどうか」を確かめるために、最も適切な実験的手順はどれか。
- 異なる模様の個体を多数採集して同じ水槽に入れ、互いに交尾して受精し、産まれた子が繁殖可能か確認する。
- 各群から代表個体を採集して殻の模様の写真を撮り、模様の差の割合を統計的に比較する。
- 各群の個体を別々の水槽で飼育し、餌の好みと活動時間帯だけを比較する。
- 各群から1個体ずつ持ち帰り、体の大きさと殻の重さを測り差がないことを示す。
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正解:1番(異なる模様の個体を多数採集して同じ水槽に入れ、互いに交尾して受精し、産まれた子が繁殖可能か確認する。)
解答の補足:種の概念に基づき、生殖的隔離の有無(交尾して繁殖可能な子孫を残すか)を調べることが最も確実な方法であるため。殻模様や大きさだけでは種の判定に不十分である。
問題2
池で採集した生物の特徴「体が透明で微小で足が多数見える」に該当する生物はどれか。
- メダカ(えらとひれがあり鱗がある小型魚)
- ミジンコ(甲殻類に近い微小な動物で透明に見えることが多い)
- ドブガイ(殻が左右対称の二枚貝で大きめ)
- クモ(陸上で8本の脚をもち触角はない)
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正解:2番(ミジンコ(甲殻類に近い微小な動物で透明に見えることが多い))
解答の補足:ミジンコは肉眼で透明に見え、付属肢が多数見える小型の甲殻類であり、他の選択肢は外観や脚の本数で明確に異なる。
問題3
「維管束を持つ植物」と「維管束を持たない植物」を見分けるための中1レベルの観察法として最も適切なのはどれか。
- 葉や茎を薄く切って顕微鏡やルーペで維管束(導管や師管の集まり)があるか見る。
- 植物に花があるかどうかだけで判断する(花があれば維管束植物)。
- 植物を水に浸して浮くか沈むかを調べ、浮くものを非維管束植物とする。
- 葉の色が濃いものを維管束植物、薄いものを非維管束植物とする。
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正解:1番(葉や茎を薄く切って顕微鏡やルーペで維管束(導管や師管の集まり)があるか見る。)
解答の補足:維管束は茎や葉の断面に現れる組織であり、薄切り観察で確認できるため確実な判定法である。花の有無や浮沈、色は判断基準として不確実である。
問題4
採集した節足動物Xは体が頭・胸・腹の3区画に分かれ、触角があり足は6本であった。節足動物Yは体が頭胸部と腹部の2区画で足は8本、触角は見られなかった。XとYをそれぞれ正しくあらわす組合せはどれか。
- X:甲殻類、Y:昆虫類
- X:昆虫類、Y:クモ類(クモやダニの仲間)
- X:環形動物、Y:軟体動物
- X:クモ類、Y:甲殻類
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正解:2番(X:昆虫類、Y:クモ類(クモやダニの仲間))
解答の補足:昆虫は頭・胸・腹の3区画と触角・6本の脚を特徴とし、クモ類は頭胸部と腹部の2区画で脚が8本、触角がない点で区別できる。
問題5
葉の気孔が光で開閉することを確かめる安全で簡単な実験手順として、最も適切なのはどれか。
- 同じ種の葉を2枚用意し、片方を明るい場所に置き、もう片方を暗い箱に数時間置いた後、透明マニキュアで葉表面の薄い膜(気孔の型)を作って剥がし、顕微鏡で開いている気孔の割合を比べる。
- 葉を両方とも暗所に置き、翌朝に光を当ててどちらが先に茶色くなるかを比べる。
- 葉の裏に直接ルーペを当てて、裸眼で気孔の開閉を確認する。
- 葉を水中に沈め、泡の出方で気孔の開閉を判定する。
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正解:1番(同じ種の葉を2枚用意し、片方を明るい場所に置き、もう片方を暗い箱に数時間置いた後、透明マニキュアで葉表面の薄い膜(気孔の型)を作って剥がし、顕微鏡で開いている気孔の割合を比べる。)
解答の補足:マニキュア法(気孔の型を取る方法)は気孔の開閉を定量的に比較でき、光条件の違いによる影響を比較する標準的な観察法である。裸眼や水中法は判定に適さない。
問題6
植物Aは花と果実を作り、植物Bは松のように球果(松ぼっくり)に種子を作る。中1の範囲でAとBの種子の作られ方の違いとして最も正しい説明はどれか。
- A(被子植物)は胚珠が子房の中で受精して種子は果実の内部に包まれてでき、B(裸子植物)は胚珠がむき出しで球果などの構造上に種子ができる。
- Aは受精しないで種子を直接作り、Bは花粉で受精して種子を作る。
- AもBも種子は果実に包まれてでき、果実の有無に差はない。
- Aは胞子で増え、Bは花で増える。
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正解:1番(A(被子植物)は胚珠が子房の中で受精して種子は果実の内部に包まれてでき、B(裸子植物)は胚珠がむき出しで球果などの構造上に種子ができる。)
解答の補足:被子植物は胚珠が子房に包まれて受精後に果実として種子が保護されるのに対し、裸子植物は胚珠が保護に乏しい状態で種子を形成する点が主要な違いである。
問題7
顕微鏡での観察結果:細胞Aにははっきりした細胞壁と葉緑体が見え、細胞Bにはそれらが見えなかった。中1の範囲で正しい判定と理由はどれか。
- Aは植物細胞、Bは動物細胞(Aは細胞壁と葉緑体を持ち光合成が可能であるため)。
- Aは動物細胞、Bは植物細胞(動物細胞に葉緑体があるため)。
- AとBはどちらも細菌であり細胞壁だけで判定できない。
- Aは原生動物でBは菌類である(葉緑体の有無だけで判断できない)。
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正解:1番(Aは植物細胞、Bは動物細胞(Aは細胞壁と葉緑体を持ち光合成が可能であるため)。)
解答の補足:植物細胞は細胞壁と葉緑体があり光合成を行える点が動物細胞との主要な違いであり、観察結果と一致する。
問題8
擬態(保護色で見えにくくなる)と警告色(目立つ色で捕食者に危険性を知らせる)の違いを簡潔に説明し、学校で安全にできる実験案とその予想される結果はどれか(実際の捕食者を使わない方法)。
- 違い:擬態は目立たなくして捕食者に見つかりにくくする戦略、警告色は目立って学習を促す戦略。実験案:同じ背景に擬態に似せた紙模型と鮮やかな警告色の紙模型を隠し、複数の生徒に見つける速さを競わせる。予想:擬態モデルは発見に時間がかかり、警告色モデルはすぐ見つかるため擬態は発見回避、警告色は発見されやすいが学習で攻撃回避に繋がると解釈する。
- 違い:擬態は触るとまずい物質があることを示す、警告色は周囲と同化する意味がある。実験案:模型を触って味を確かめる。予想:触ったらまずいと感じる。
- 違い:擬態は捕食者を驚かせる、警告色は光を反射して逃げる。実験案:模型を光に当ててどちらが眩しいかを測る。予想:警告色が眩しい。
- 違い:擬態は内部で毒を作る、警告色は単に目立たせる。実験案:虫の体内物質を化学分析して比較する。予想:擬態種から毒が検出される。
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正解:1番(違い:擬態は目立たなくして捕食者に見つかりにくくする戦略、警告色は目立って学習を促す戦略。実験案:同じ背景に擬態に似せた紙模型と鮮やかな警告色の紙模型を隠し、複数の生徒に見つける速さを競わせる。予想:擬態モデルは発見に時間がかかり、警告色モデルはすぐ見つかるため擬態は発見回避、警告色は発見されやすいが学習で攻撃回避に繋がると解釈する。)
解答の補足:人を観察者とする実験で発見時間を比較すれば、擬態は発見率低下(隠蔽効果)、警告色は発見されやすいがその後の攻撃回避学習に利点があるという生態学的解釈ができる。
問題9
池のミジンコを昼間に数えると個体数が多く、夜間に少ないことが観察された。この現象の名称と、考えられる原因2つおよびそれぞれを確かめるための簡単な観察方法として最も適切なのはどれか。
- 名称:日周移動(昼夜移動)。原因と確かめ方:①視覚的捕食者(魚)を避けるために昼に深場へ移動する—確かめ方:魚の有無を操作した水槽で昼夜の垂直分布を比較する。②光や紫外線を避けるための光走性—確かめ方:水槽内で上下に強弱の光を与え、光の強さで上下分布を比較する。
- 名称:季節移動。原因:水温低下と冬眠。確かめ方:年間の気温変化と個体数を比べる。
- 名称:日周移動。原因:酸素不足と塩分濃度の変化。確かめ方:夜間だけ餌を与えて増えるかを調べる。
- 名称:ランダム揺動。原因:無目的な泳動。確かめ方:何もしないで何回か数える。
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正解:1番(名称:日周移動(昼夜移動)。原因と確かめ方:①視覚的捕食者(魚)を避けるために昼に深場へ移動する—確かめ方:魚の有無を操作した水槽で昼夜の垂直分布を比較する。②光や紫外線を避けるための光走性—確かめ方:水槽内で上下に強弱の光を与え、光の強さで上下分布を比較する。)
解答の補足:昼夜での上下移動は「日周移動」と呼ばれ、視覚捕食者からの回避や光・UVへの応答が主要な仮説であり、捕食者の有無や光条件を変える実験で原因を検討できる。
問題10
「なかま分け」において形態(形の似ていること)を基準にすることと、生態的役割(ニッチ)を基準にすることの利点と問題点の組合せとして、最も適切な記述と具体例はどれか。
- 利点(生態的役割基準):同じ生態系での機能をまとめられ生態系のつながりが分かりやすい。問題点:進化的な系統関係を反映しないことがある。具体例:ハチドリ(鳥類)とスズメガの仲間(昆虫)が両方とも花の授粉者として同じ役割を果たすが系統は異なる。
- 利点(生態的役割基準):必ずしも観察が簡単でなくても系統分類より正確である。問題点:形態で分けられない。具体例:クジラとサメは両方とも哺乳類である。
- 利点(形態基準):生態的役割を正確に示す。問題点:生態系での機能は記述できない。具体例:ハチドリとコウモリは同じ種である。
- 利点(形態基準):進化の歴史を無視して分類できる。問題点:同じ役割の生物を別々にしてしまうメリットはない。具体例:イルカとシャチは植物である。
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正解:1番(利点(生態的役割基準):同じ生態系での機能をまとめられ生態系のつながりが分かりやすい。問題点:進化的な系統関係を反映しないことがある。具体例:ハチドリ(鳥類)とスズメガの仲間(昆虫)が両方とも花の授粉者として同じ役割を果たすが系統は異なる。)
解答の補足:生態的役割で分けると機能的な理解が得られる一方、異なる系統が同じニッチを占める(収斂進化)ために系統分類と矛盾する場合がある。ハチドリとスズメガは授粉者の例として適切である。